鈴木蘭々の芸能活動35周年の記念アルバム

All Time Best Yesterday & Today

7/26 発売となります。

このアルバムは蘭々の90年代からの既発シングル曲や近年のレア曲とこのための新録3曲を収録した15曲+ボーナストラック全16曲が収録されています。

私はアルバムの最後を飾るM-15「 明日、またね、、、。」のアレンジをやらせて頂きました。

蘭々では90年代に京平さんの曲のアレンジをやっていますが、どんな曲だったか正直覚えていないのです..。音源も手元になく、ただ記憶にあるのはレコードディング当日の記憶。何かの手違いでスタジオに定刻に入れず、しかも野外でその時を待つという珍しい事態に陥っておりました。階段で扉が開くのを並んで待っていましたがすぐ近くに京平さんもいらっしゃり、関係者のみなさんは大変気を使われ「先生すみません」と口々にお詫びをされていらっしゃいました。実はこれまで私は普通な感じで「京平さん」と呼んでおり、この時のやり取りを聞き私も「先生」と呼ぶべきだったのかなと考え直し、話しかけるときに「京平先生」と言ってみたのですが「あなたまで何言ってるのよやめなさい先生なんて」と小声でしたがものすごい勢いで嗜められました。

こんな私とは比較にもなりませんがしかし曲を作ってると例えばNHKの建物に入れば漏れず「先生」が付き私も非常にこの闇雲にそして安易に「先生」を付けられるのには抵抗があるのと、そう言われることで距離を置かれているとしたら嬉しくないと思っていることもあり、京平さんのその言葉には非常に合点のいくところでした。なのでやはりわたしは「京平さん」でと言うエピソード付きの、

そんな蘭々のレコーディングの思い出。

90年代のレコーディングでも売れっ子アイドルはスタジオに現れることなく蘭々に会うことはできませんでしたが、今年の4月末大至急の案件として新曲のアレンジを仰せつかりました。

それがこの「明日、またね、、、。」

 

作曲の川原 伸司さんからの電撃電話でとりあえずスケジュール的にどうか、というお話でしたが全力で受ける以外の選択肢はありません。

音源はその夜届き大至急メロ譜を起こし翌日の電話打ち合わせに備えておきました。

デモはタイトル箇所のみ言葉が入っておりその他は全部鼻歌で歌詞はなく、蘭々のこの度の新譜について音楽誌でも書かれているように川原さんの曲のテイストは正に大瀧詠一ワールドの世界観の一つでした。レコードコレクション8月号で池上尚志氏も書かれていますように川原さんは京平さん大瀧さんの楽曲を管理する立場の仕事もやっていらっしゃったのと作風に関しては限りなく大瀧詠一ワールドと近いものをお持ちだと私はみています。歌い方も同じ線上にあると言えます。

デモはウッドベースなどJAZZぽい雰囲気を醸し出す音源を使われていましたが私の持つ蘭々のイメージ、そして最新の音像でこの曲の世界を作りたいと方向を決めてトラックを作って行きました。

歌入れまで多分10日間もなかったかも知れないくらい痺れるスケジュールでした。道中、テンポを心配して電話をくださった川原さんに電話越しでこんな感じですけど大丈夫じゃないですか?と途中まで出来てるアレンジを再生させてお聴き頂いた時、バッチリ、いいね!と言われホッとしながらもゴールを目指して頑張ったのでした。大サビまであり、関門だらけの曲でしたがデモに忠実な構成と大筋変更なしでいけるコード進行を大切にしています。

歌詞がなくて私のデモの仮歌もラララでレコーディング当日スタジオにいけばそこには90年代会い損なった蘭々がボーカルレコーディングの真っ最中でした。

ブースから出てきてコンソールルームで初めて挨拶を交わしたその印象は大変普通に接することのできるかた、でした。可愛くてモデル(実際モデルからスタート)のようで華やかという近寄り難いのかも知れないというイメージとは違いいい意味普通でしたがそれでいながら内面には確固たるものがある人という印象です。普通とは言えやっぱり華があって絶対その辺にいない存在感そして、、、なんといっても歌がめちゃくちゃ良いです。

今回の歌詞は蘭々本人が書かれたのですがそれにしても表現豊かな歌い方だけでなくそもそもピッチがよく自分の技量をわかっている人だなと感じました。

エンジニアの歌のエディットに対してもそれは私の個性なの取らないで欲しい、という事を言えるかたです。素晴らしいです。

「明日、またね、、、。」

渾身の一曲になったと思いますので

ぜひ本日新発売となったこの一枚

All Time Best Yesterday & Today

アルバムのタイトルと同じく私も過去と今で共存させて頂けている奇跡のようなご縁を有り難く思っています。

お手にとってお聴き頂けると私はとても嬉しいです!

 

 

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あとは、、、蘭々のライブをやりたいなぁ!!!

 

 

 

Vocal Recording 蘭々と作曲プロデュースの川原 伸司さん