山口美央子さんのトーク& ミニライブに行ったのは先月、４月１２日でした。
私と山口さん、実に長いあいだのお付き合いでもうかれこれ３０年以上です。私は編曲家として、山口さんは作詞または作曲家、或いは両方を作家として色んなシンガーに提供されるようになってからの事。
山口美央子さんは作家活動に入る前に「山口美央子」としてのアルバムを３枚もリリースされていたのでした。しかし私はその頃の事が全くわかっていないままず〜っと音源と譜面または歌詞の上でお付き合いをしていたのです。
山口さん楽曲デモ音源にはいつも世界観がしっかりとわかるご自身の声による唄があり曲があり、アレンジャーとしては有り難い限りで、そして共有できるものをただただ一方的に感じていました。

そのまま年月は流れ今から７年前になるでしょうか、リアルに山口さんとお茶をする機会に恵まれ初めてその人柄に接することができました。第一印象は美しく知的。それ以降その印象どおりブレず。

こんな私と（どんなかわからないけど）大変相性が良く（妄想？）一緒にいて心地よくとっても面白い人なので〜す！
さてさて、度々会うようになった私たちではありますが去年の冬近くFacebookに”山口美央子35年振りの４作目となるニューアルバムリリース”の投稿があり私は恥ずかしながら３０数年前からずっと資料だけの世界しか知らずに来ていて、出会う以前の山口さんのアーティスト活動履歴を初めて知る訳です。ホントに色々知らない事だらけの私をお許し下さい！

それにしても作家活動に専念されていた長い年月を入れたとしても今、新譜を出すその勇気と覚悟に頭が下がります、いや尊敬の一言。勿論、この時点で新譜の一片も聴いてもないのに・・・です。

告知には情報としてジャケットの表イチも掲載されていました。この色彩や構図を見て作品の中身のセンスがいいのは推して知るべし。アルバム「トキサカシマ」・・・「トキサカシマ」とは・・・。トキメキますよね✨ワクワク・・・

先行予約発売の１２月１９日より前倒しで山口美央子YouTubeチャンネルに新譜トキサカシマより「恋はからげし夏の宵/Ton-Ten-Syan 」がアップロードされその精度の高さとセンスに感激しました。音源使わせて貰って大丈夫か確認したのちInstagramのストーリーに楽しく日々アップロードしたりして。。。。好き勝手に使わせてもらえてこれもありがとうございます。
全作9曲となるこのアルバムは「東京Lovesr 」を除いた８曲が書下ろしで、その東京LoverもCD 化ならずの取って置きシングルバージョンという全て磨きの掛かった極上のものばかりです。

個人的には、「東京Lover/Single Version」で1981年の私がコーラスで参加していたという事であります！クレジットこそないのですがアレンジャー佐藤準さんに今年年明け早々の仕事で会った時、その音源を持って行きスタジオで聴いて頂きましたらば鮮明な記憶があるそうでリズム隊メンバー（山木秀夫．高水健司、今剛、と準さん）とサックスJake H. Conceptionという名前も上がって来ました。準さん凄い記憶力！

実はこの09を聴いたとき私は「こんなコーラスが ’81 年にいたのか・・・これは嫌だな‥‥」と思いました。粋なコーラスの歌い回しだと思いました。聴くうちに、もしかして私では？間奏以外のハーモニーなどは正に私だし、準さんに確認してみよう！と。やはり私でした。たくさんレコーディングしていて誰の何かを知らされないまま作業が終わる事もいっぱいありましたので。それにしても自分のスタジオコーラスワークでこういう歌い方をしているケースはほぼないです！ホント申し訳ないですが自分でよかった！と思うの奇跡の出会いがあった事を嬉しく思いました。（いや〜ホント手前ミソだけど私のウェブサイトだから許してね）
この度の肝を抜かれる新譜リリースに次いでこの４月には京都と東京で待望のトーク&ミニライブを開催。４０席しかない東京での会場となった神楽音は当然即完でした。
ここでやっと共同プロデュースとして松武秀樹さんのお名前登場で、このDiary内にしても遅すぎるのですが、この度の色んな運びもこの松武さんの偉業無くしては成り立たなかったであろうと思います。言わずと知れたシンセサイザーの巨匠です。松武さんと私も何百という曲数のレコーディングをアレンジャーとマニピュレーターという関係でやって来ましたので気心も知れ、公正で業界イチ紳士的と私には映ります。清い本作品の品のある電子音、松武さんの手に依るものでしたね。
そんな４月のトーク&ミニライブはお二人の素晴らしいコンビネーションを見る事が出来、やはり山口さんの底力を改めて思い知らされました。歌もピアノもとてもよかった！
なかなかああは行かないと思います。
この次は初夏あたりにまた新譜リリース予定と発表され、ついでライブも企画中だそうです。勇気をくれる山口さん。この精度の高さ、こうでないとプロではないと思います。誇らしいです。
今日は自分の仕事とも少し違いますが今一番注目の山口美央子さんについて隙をみて書こうと思ってたのでDiary にしてみました。

※一曲ごとにイメージ画像があるそうです。

「恋はからけし夏の宵/Ton-Ten-Syan」は井原西鶴の「八百屋お七」をイメージされたそうですよ！