夕方近く世田谷美術館で展示されている「日本の自画像」というタイトルの写真展を観に行きました。
美術館に勤務している大学時代の同級生にバスでのアクセスを教えて貰って本日は渋谷からバスを使う事に。初めての順路は予想より長く感じられ、車中から世田谷区を眺めつつ「なんてサミットストアが多いんだろう・・・」などと思ったりもしたものです。
東京はここ数日結構な雨で太陽は久しぶり。とは言え座った席はどうにも西陽が顔面直撃で終始迷惑に眩しく、眉間にシワを寄せつつ砧町で下車です。
美術館の裏門脇には色艶やかな花を見つける事が出来て夕陽に鍛えられた厳しい表情も和らいだのではないかと思われます。
そんなイントロをすり抜けて本編の美術館はというと、サブタイトルが「写真が描く戦後 1945-1964」。正にこれは私が生まれた頃を挟んでいる訳で、作品は全てモノクロ銀塩の写真たちです。
自分が生まれた頃まだまだ日本は大変だったんだ・・・・・・。
そこには街なかで育った私に縁のなかった当時の過酷な田舎の様子や、片や懐かしい京都の葵祭の様子、はたまたまだ一軒家の屋根瓦が目立つ銀座の屋上の風景など様々で、親たちの世代はドン底から逞しく這い上がって私を育てたのだと思うと一点一点の前で足が止まり、それが郷愁なのか何なのかどうにも言葉では言い難い思いにかられました。
なんとな~く記憶の隅にあった当時ですが随分古く感じられ、こうして目の前に叩き付けられると感慨無量です。当時の京都は今より随分と外国人が多く感じられ,幼い私にはあまりに子供だったのだろうと思いますが母に「なんで外国の人はみんな顔がおんなじ?」と訪ねて笑われた記憶がしっかり残っています。
館内の作品をほぼ見終わった頃、勤務を終えた同級生がすっと現れ、一緒に美術館を出てまた砧町のバス邸前迄歩き、私たちは暫しお茶をする事にしました。
そんな私たちのする大した事ないタワイのない話もこの写真展と同じように歴史ありかも知れません(笑)
何とも居心地の良いい世田谷美術館